中高年のコンサル開業
2024年03月30日
参入障壁が低く高い成長性が見込まれ、多額の事業資金がなくても比較的容易に個人で開業出来るコンサルティング事業にチャレンジする中高年層が増えています。企業勤務で培った知識・経験、ノウハウ・人脈、中小企業診断士資格などがあれば有利だと言われていますが、その分受注競争は熾烈で大手コンサル会社もこれまで参入してこなかった領域に進出してくるなど、活動実績やバックボーンとなる安定した固定得意先がない個人事業主にとっては成功へのハードルは高く、既にDX分野や助成金関連は草刈り場状態から非成長分野へとなっている現状はありますが、新たな働き方の1つとも言えそうです。
一方で、40~50歳代に対する企業側の見方は様々でオールラウンダーとして広範な分野に対する深い知見と行動力があれば相応の処遇や環境が用意されることもありますが、組織への不適合者と見做されればこれ幸いと退職を歓迎する面があることも頭の片隅に置いとくことが大切でしょう。特に働くモチベーションが出世や報酬に偏っている場合は、客観的な自己分析(本当にやりたい事、自分の発揮できる能力、大切にしている価値感など)が不十分だと考えられるケースもありますから、まずは独立を選択する前に企業の看板の重さを冷静に見つめ認めることが重要だと感じます。
また、子供がいる家庭ではお金の一番かかる時期と重なりますから、安定的な収入が無いことへの家族の反対があることは容易に想像できます。仮に独立開業後からこれまでと同様の収入が見込めたとしても、企業側が負担していた費用は全て自己負担となりますので、万が一軌道化できなかった時にビジネスに見切りをつけられず最悪の場合は貯金が底をつくリスクもついて回ります。もちろん、退職前と同条件以上で再就職できる可能性はありますが少数派ではないでしょうか。それ以外にも、予定通りの事業計画が実現しなければ精神的に不安定な状態が続きますので十分すぎるほどの周到さがあってこそ独立開業が成功するのだと思います。