紳士服と多角化経営
2024年06月11日
2019年、紳士服チェーン「コナカ」が服飾雑貨ブランド「サマンサタバサ」を傘下に収め、同業界の青山商事は、雑貨販売店「ダイソー&アオヤマ100YENPLAZA」「焼肉きんぐ」、「セカンドストリート(中古品店)」などの店舗ブランドのフランチャイズチェーン(FC)展開やクレジットカード事業、印刷・メディア事業などの非店舗事業も手がけました。また、AOKIも複合カフェ「快活クラブ」事業や結婚式場事業、カラオケボックス「コート・ダジュール」事業を展開して非紳士服事業が連結売上高・営業利益の5割程度を占める戦略に転換しています。
また、紳士服スーツは生産年齢人口の減少、オフィス服装のカジュアル化、コロナ禍による在宅勤務などにより総務省家計調査ではスーツの需要が激減していることが明確になっています。もともと委託販売が主流だったアパレル・ファッション業界にZOZOが新たなビジネスモデルを確立したことからも、紳士服業界が非紳士服事業以外の新たな収益源を確立して事業リスクの分散化を図る狙いが見て取れます。編集人は年間5~6着のスーツ(イージーオーダー)に細かなオプションをつけて購入してきましたが、病気療養で自宅にいることが多くなり現在は3着だけ残した状態です。
先述のサマンサタバサはヒルトン姉妹、ミランダ・カーといった海外セレブや国内トップモデルを起用したプロモーションと買いやすい価格帯で通勤・通学・外出時に使用する主に10~20歳代の女性を中心に超人気のブランドとなりましたが、最近は当時の購買層だった30~40歳代の働く女性をターゲットにしたシックなデザインに変化しつつあるようです。また同社のHPには、日常生活で少しでも明るくワクワク感のある心の和むデザインの商品、ひと手間かけた思いやり、最高のサービスで貢献するとあり、「信頼」「尊敬」「働きがい」をスタッフの行動規範に掲げています。他業界の中でも飲食業界は女性1人でも来店しやすい店舗を増たしたり、一時的流行といった面は否めないものの「映え」をターゲットとした実験的出店も盛んになりましたね。