オフィス鴻

社会人教育ビジネス

2024年04月04日

厚生労働省のHPでは、大学等での学校教育からいったん離れたあとでそれぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていく社会人の学びをリカレント教育と呼んでおり、経済産業省・文部科学省等と連携して様々な取り組みを行っていることが紹介されています。その背景には、企業・労働者を取り巻く環境が急速かつ広範に変化し、労働者の職業人生の長期化も同時に進行する中で、労働者と企業(使用者)が協働で「自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し」を行う「労使の協働」の必要性が益々高まっているとあります。そのための支援策として、教育訓練給付金、高等職業訓練促進給付金、人材開発支援助成金(事業主向け)、生産性向上支援訓練などが設けられていて、単なる資格取得とは異なる視点で考える必要があると思います。

つまり、生涯学習の一環として資格取得を目標とするのか、就職・転職のために必要な資格を取得するのか、企業のビジネスモデル変更やIT化により失われていく仕事から新たな社内での活躍の場を求めていくのかという視点で見れば、いずれも何らかの自身の強みの軸を1つずつ増やし深耕していくことに繋がると考えています。ここで重要だと感じるのは生成AIが活用できる領域(論理的思考、数理的演算処理、マーケティング、定型業務、文章・音楽・画像生成など)以外で卓越したスキルをアップデートし続けることが、結果的に自分自身のビジネススキルの陳腐化と世の中が求めるスキルとのギャップを埋める戦術的ツールとしてリカレント学習があると考えているためです。もちろん、個人差はありますが卓越スキルも活用できなければ、人生100年時代という老いと向き合う長い時間のQOLとはなり得ないでしょう。

一方、リスキリングやリカレントには多数の事業者が新たなビジネス領域として参入しています。趣味での民間資格ホルダー(取得)は別として目的と合致した学習でなければ、単なる資格ビジネスにお金を費やしているだけで、本人が思っているほどには有益な結果がでないことも多々あり得ると思っています。