オフィス鴻

町中華のありがたみ

2024年07月04日

社会人になった頃、今では労働時間等のコンプライアンス遵守が求められていますが当時は昼食をとる時間がないほど忙しい日もあり、また24時間営業のコンビニやチェーン店も少なく、その日の懐具合と相談しながら職場近くの町中華店や居酒屋兼食堂に良く通っていました。多くは家族経営的な飲食店でビニールカバーの椅子があり、半チャンラーメンセットに半人分の餃子などを頼むと小皿のサービスがあったり、メニューにない料理オーダーにも快く対応して頂きました。

最近は、限定数量で1杯2,000円を超える限定ラーメンを提供する専門店もあるそうですが、昭和生まれの世代(東京生まれ)にはしょうゆ味の志那そばにナルト、ほうれん草、シナチクと薄くて小さいチャーシューという組み合わせが懐かしく思われます。今ではご高齢の経営者が数百円で定食や料理を提供してくださるお店も減少傾向にあり、ご自宅兼店舗で家族経営(従業員への人件費負担がない)することが難しくなっているようです。また、大型チェーン店の進出や原材料費高騰の影響だけでなく、店主の体調不良などで突然閉店・廃業するケースも増えつつあると聞きます。最近のTV番組では、タクシー乗務員の行きつけの店や少し個性的な飲食店を取り上げることも多く、放送日後には長蛇の行列ができることが少なくないようです。元々家族経営の飲食店ですから、急な大量オーダーに対応できる人員や仕入れルートもないため、消費者のモラルも大切だと感じます。

時代の変遷は常に新たなビジネスチャンスを生み出す一方、最近はX世代を中心に昭和30年代にタイムスリップしたような昭和レトロブームが喫茶業界にも起こっているそうです。編集人は、外出した時には最寄り駅周辺を散策しがてら、純喫茶(アルコールは出さない店)があると必ずホットコーヒーを注文していました。最近は禁煙とする店も増えており、時代は変われども感性の合う良いものに対しては新鮮に見えるのかもしれませんね。