オフィス鴻

救急搬送と選定療養費

2024年08月03日

選定療養費とは、一定規模以上の対象病院で紹介状を持たず外来受診した患者等から一部負担金(3割負担等)とは別の「特別料金」を徴収を行い、外来患者の集中・待ち時間短縮や勤務医の外来負担軽減等の課題を解決する制度だと厚生労働省のHPにあり、初期症状が軽い場合にはまずは居住地域の医療機関を受診し、必要に応じて大学病院・専門病院などへ紹介を受ける等、医療機関の機能・役割に応じた適切な受診を行うことを趣旨としています。もちろん重症患者だけでなく、幸い入院に至らずとも掛かり付け医の紹介状がある場合、交通事故・労災などは選定療養費は徴収されません。最近は一部自治体の#7119(救急安心センター事業)や消防庁の救急受診ガイド(Q助)で救急搬送が必要か否かをアドバイスしてくれますし、呼吸停止・意識喪失・大怪我などの場合はためらうことなく救急要請するべきでしょう。

現在ではコロナ禍が徐々に収束傾向にあるとは言え、軽症でもタクシー代わりに救急車を利用するなどがいるため未だに救急搬送事態に支障をきたしていることが多く、報道番組等で特集が組まれるほど切迫した状況にあるため総務省(消防庁)なども啓蒙活動に力を入れています。実際に救急搬送を数回経験したことがある編集人ですが、難病疾患治療で日常的に通院・入院している主治医がいる大学病院でも救急車からER(救急センター)に連絡がつくまで10分以上救急車内で待機することが多くあります。そのような状態が続くと近隣以外の救急隊が出動搬送してくれますが、数珠繋ぎ的に救急隊員・関係職員等の負担が増えるため、必要な場合以外は病院側に事前連絡を入れて多少でも動ける場合にはタクシーを利用するように心がけています。

なお、以前から「たらい廻し」との批判が多い病院側の受け入れ体制についても、常に専門医がER(救命救急)対応できるとは限りませんし、病室が満床で受け入れが難しい場合もあります。利用者側もモラルや感謝の気持ちを忘れずに、このような素晴らしい日本の緊急医療体制を後世に残していければと思っています。