救急車搬送の有料化
2024年05月31日
三重県松坂市で、救急車での搬送を必要とせず入院を必要としない軽症と病院側が判断すると、診察料金に加えて選定療養費(7,700円)を徴収する取り組みを始めたそうです。選定療養費とは病床200以上の総合病院に掛かりつけ医等の紹介状なしで受診する際に別途徴収される自費を指していますが、松坂市を含め全国での入院を必要としないと医師が判断した救急搬送患者数が20年前から倍増していること、そのうち軽症と診断される患者が約半数であることから既存の救急医療体制を継続していくにはキャパシティオーバーの危機的状態だということでしょう。
つまり、救急医療を守ることに対して医療機関や救急体制(自治体)を簡単に拡大させることが難しくなりつつある中で、総務省(消防庁)が利用者側の適切な利用を呼び掛けなければならないほど救急車出動件数が多くなっていると考えられます。そのため、素人では判断できない症状の場合は#7119等の利用を促したり、必要と判断すればためらわずに救急車を呼んでくださいとしているのです。編集人も体動不能(全く身体が動かせない)で救急車搬送のお世話になったことが数回ありますが、必ず家族が事前に掛かりつけ病院(難病治療の大学病院)に連絡して判断がつかない場合は#7119に連絡して指示を受けています。特に、寒い時期になると脳疾患(脳梗塞・脳溢血)が増えるそうで病院側の受け入れができない状態(診療科のベッドに空きがない)が多いと主治医が話されていましたが、その場合でも別診療科に空きベッドがあれば一時的に入院措置を講じてくれました。
また、コロナ禍の一時期は、1人の患者の救急搬送先が見つかっても対応に数時間を要することも多々あったそうで、救急隊員が昼食や休憩のためにコンビニ等で買い物やトイレを済ますことを批判する一部の方も存在していました。編集人個人としての考えは、1回あたりの救急搬送にかかる人件費・体制維持費の一部負担は当然だと思っており、物流(宅配)クライシスと同じで提供サービスは無料ではないことを理解して利用する必要があると感じます。