オフィス鴻

課題解決からの撤退

2024年07月13日

企業(個人事業主でも基本は同じ)で仕事をしていると、時折無理難題が降りかかってくることがあります。特に課題の中には、既にかなり以前から目的を達成するための様々な取り組みが行われていたものの、障害やトラブルが起こったため中断されたものも多く含まれています。例えば、商品(サービス)、資金、マーケット、納期などであり、ブレークスルーの方法を徹底的に考え抜いて議論するよりも、出来ない理由を並べた方が容易だからです。しかし、少しだけ見方を変えてみるとそれぞれの立場で意見を言い合うこと(相手の話を聞くこと)が解決の糸口となり、次のアクションを起こす原動力となり得るケースもあるのです。

その理由は、現状に対する課題解決案に繋がるように、会議のファシリテーター役が課題・担当・期日を決めて出席者にコミットしたリストを配布(できてば当日中に)することで、大きな課題を分割された小さな課題としたことです。小さな課題に分割すれば、それぞれが専門的知見等をもとに何らかの解決方法を出すことができ、それが複数集まることで打合せへの参加を強制されている感覚から、何とかなりそうだと前向きに目標達成に向けてアプローチを楽しめるような雰囲気を醸し出すことが出きるからだと考えています。

しかしながら、どのように取り組んでも解決できないような障壁にぶち当たることがあります。その時は撤退基準を決めることを検討するのですが、往々にして他責にしないメンバーとの信頼関係があれば、異なるアイデアを持ち寄り、組み合わせることによって100%ではなくても課題を解決できる見通しを立てることができるケースが多く存在します。もちろん、討議の記録が残っていますから、つぎの課題にも応用が出来るだけでなく、何よりも自律的行動習慣が身に付いたことで組織と個人の活性化が新たな企業文化を生み出す源泉になると考えています。編集人が携わってきた多くのプロジェクトでも撤退した案件はごくわずかであり、その原因は「やらされている感」から抜けきれない経営幹部メンバーにあったと思っています。