オーダースーツの効用
2024年08月21日
編集人が社会人になった40年近く前(昭和の最後)は、仕事に向かうときは必ずWのスーツ・ネクタイ・磨いた靴を着用していました。その後、温暖化によりクールビズが推奨されるようになり、さらにコロナ禍で在宅勤務が増えたことでカジュアル化が進み紳士服業界は軒並み大苦戦を強いられているようです。特に首都圏での夏の通勤電車の込み方は乗車率が200%を超える(編集人の使っていた路線は現在でも混雑率ナンバーワンだそうです)こともあり、現在のような電車の空調設備もなく、スーツを着用して汗だくで通勤したものです。そのため、始発電車(朝4時過ぎに起床)を利用して仕事のやり方を完全朝型(始業までにその日の仕事は概ね片づけておく)変えることにしました。ほぼ毎日同じ電車を利用していると、決まった顔ぶれがいつもと同じ席に座っていることも多く、何となく予定調和的な仲間意識があったことを思い出します。
当時は、年間で5~6着ほどスーツを作り、ネクタイやワイシャツ(長袖)、カフスなどを合わせて少しでも気分良く仕事ができるようにしていました。外国でも通勤電車の混雑はあるようですが日本とは違い、アメリカではゆっくりと新聞を読める程度、インドでは屋根にまで乗車するなどそのお国柄も反映されているようです。編集人の場合、職務柄もありお洒落と好印象を多少意識しながらも、突然の訪問客への対応や交渉時の印象を良くする、得意先との会食で相手に余計な気を遣わせないなどを目的としていたため、フルオーダースーツの半額程度で収まるセミオーダースーツと既製品とは違うワイシャツ(襟や袖の形など)を愛用していました。
最近は役所や金融機関でもカジュアル化が進んでいて、紳士服チェーンなどはレディーススーツや全く新たな分野へと進出する企業もありますが、高級飲食店などでは以前に比べて緩くなりましたがドレスコードは厳然として残っています。特にカジュアルスーツは機能性に優れ価格面でも競争優位性が高いですから、紳士服業界の苦難はまだ続きそうですね。