オフィス鴻

不採用になる理由

2024年09月27日

これまでコラム内でも「他責」にする人の存在について何度か触れてきました。単純に組織運営に悪影響を及ぼすだけでなく、思い込みが激しい人にその傾向が強く、周囲を疲弊に追い込むのですから、普通に考えれば採用するべきでなかった人材だと思われます。違う言い方をすれば、能力重視で採用しても素直さがある人柄ならば組織に良い影響を与えてくれる貴重な戦力の正反対にいる存在だとも言えます。非常に単純なことですが、失敗したら素直に謝罪することができ、相手に感謝の意を伝える(「ありがとうございます」など)ことが出来れば本採用選考のハードルを1つクリアしたと考えても良いと思います。

ここが人事戦略をきちんと組み立てられている企業(HQ)と、そうでない企業(単なる人の補充)との差がはっきりと出る部分だと編集人は考えています。どんなに人手が欲しくても自社に合わない人材を採用(配置換えもあります)してしまった場合のリスクを考えれば、採用担当者間で事前に綿密な面接準備をしていることが結果的には企業に貢献してくれる人材の採用に繋がると考えます。つまり、採用に関しては採用者側・応募者側の妥協点をどこに見出すのかが人事戦略における要諦だと思うのです。日本の労働法制では、労働者が強く保護されている反面、もし解雇するならば入社後2週間以内に企業側がアクションを起こす必要があります。しかし、本当に特殊技能職でない限りは2週間で見極めるのは相当難しいでしょう。

もちろん、企業経営ですからとりあえず事業運営に最低限必要な人員数だけ揃えることも大切な施策です。それでも不採用になったとすれば、自分では気づいていないネガティブな何かが面接官に伝わったとも考えられます。一方で、採用内定を出しても辞退される企業では、面接官自身が何かしらの波長や言質に問題があったと自省する態度があれば改善傾向に向かうことは十分考えられます。ここで他責にする面接官がいれば、応募者にとって魅力のない企業に映るのだと思います。