オフィス鴻

医師のキャリア形成

2024年09月12日

医師免許を取得して職業とするには、まず大学の医学部に合格してからスタートすることは読者のみなさまもご存知でしょう。一般論として、開業医等を親に持っていなければ私立大学の医学部は学費だけで卒業までに3~5千万円の授業料とその他諸経費(寄付金・住居費・書籍等)がかかりますから、金銭面では国公立大学以外は進学も叶わない学生も多くいることが挙げられます。もちろん医師になる目的は人それぞれだと思いますが、編集人が難病が判明するまでお世話になった医師の方々(殆どが大学病院等の勤務医です)は総じて研究熱心であり、また編集人自身も主治医に相談する内容について様々な医学文献を調べてから入院・通院加療するようにして少しでもお役に立てるように行動しています。

最近は、医療機関の倒産件数・廃業診療所数も増えている一方で、医療ビジネス(簡単に言うと開業医としてリスクが少なく、収益性の高い分野)の経営者として活躍される方も多く見られるようになりました。「医は算術なり」という言葉もありますが、開業医であればある程度の患者母集団と診療報酬、勤務の自由度が収益性を高めることに繋がるため、最近は主治医の勤務する大学病院へ救急車等で緊急搬送されても空きベッドがなく別の診療科病棟に廻されることが多くなりました。また、大学病院等の勤務医は1日100名近い外来診療を行いながら医学部生への授業を担当し、学会等への出席などを含めれば食事の時間が取れないほど勤務医の過酷な労働環境が浮かび上がってきます。

先般、大学病院の主治医の診察を受けましたが、週2回の外来診療から週1回へと減らしたと言います。理由は「身体がしんどいからね」で、医師の働き改革も徐々に浸透してきたようです。予約時間から概ね1~2時間待ちは致し方ないと思っていますが、最近は待合席数(椅子)に座れないことが多くなりました。理由は、3人以上で来院する診察待ち患者が多いこと、予約時間の1時間前以上早くきている高齢者の存在のようです。