日本産米の高騰
2024年09月03日
近年の温暖化(猛暑・大雨・干ばつなど)の影響とみられる農産物への影響が身近なところで顕著になってきました。最近では東北・北海道が米の主産地となり、これまでのコメ農家も暑さ等に強い新品種への切替が行われているそうです。昨年の米不足の直接的原因は猛暑による収穫量減少でしたが、さらに訪日客によるインバウンド重要・外食産業で不足感に拍車がかかっている構図です。本年度の早場米が出荷されて価格高騰が落ち着くだろうとの観測もありましたが、コロナ禍で需要が減少した余波もあり、想定以上に相対取引(スポット)価格が上昇したことで、まさに平成の米騒動(妻の実家にも全く知らない方が2倍の高値を提示して米を買いに来ていました)が思い出されます。
編集人の子供の頃は、減反政策により転作補助金が出されていて数少ない自給率100%近い農産物である米の生産が制限されて社会問題化していました。現在は2018年に減反政策が廃止されましたが、多くの生産地で荒れ果てた田んぼを復活させるには農業従事者の減少・高齢化、農地の回復など多くの課題が待ち構えています。冷静に考えれば一時的に需給バランスが正常化するまでもうしばらく待てばよいと思うのですが、中には投機目的や不安から高額でも買い漁る高齢者(コロナ禍では不必要なものまで買占めに奔走していました)もいるようです。編集人宅では母方の実家がある福島産(生産地域は異なります)の米を東日本大震災直後から購入していますが、ここ数ヶ月は購入のたびに価格が上がっています。見方によっては、他の物価高騰と同期化して考えれば通常の状態(価格)に戻りつつあるのかも知れませんね。
また、あくまで編集人の個人的考えに過ぎませんが、今後農業における第6次産業化が進めば最近の技術進歩で需給関係にあまり左右されずに取引される日本産長粒種(インディカ米)や酒米、もち米などを使った市場開拓・商品開発なども生産地の意異動に伴い選択肢に入る可能性があると思います。