交通系ICカード
2024年10月10日
2026年度から、首都圏・関東のJR東日本と大手私鉄は現在の交通系ICカード(PASMO・Suica)からQRコード乗車券に切り替えることになりました。既に地方の公共交通では熊本などで全国の交通系ICカードが相互利用できなくなっています。ICカード自体は約20年以上前から導入され、その後の相互利用は約10年程が経過しており、新たな設備投資が必要な時期にきています。カードに使用する半導体不足が続いていることもあり、今後現行システムのメンテナンス費用等を含めれて考えればば新システム導入の方がコスト的にメリットが多い(安く済む)と言うことでしょう。
今後新たに導入されるのはクレジット決済型が主流になると考えられますが、カード会社のブランド使用料を支払っても新たなICカードやQRコードタイプに分がありそうです。既に殆どの航空会社・空港ではQRコードシステムを導入しており、今年7月の新券発行に伴う券売機更新費用などをみれば銀行ATMと同じく券売機自体も減少することになっていくと想像できます。特に首都圏はリモートワークによる定期券販売数の減少(約20%)が鉄道事業者への業績にも影響していますから、民間公共交通と言えども設備更新のタイミングを計りながら、最終的には全国で利用が可能な共通乗車券(カードを含む)に移行するまでにはまだ相当の時間がかかりそうです。
また、鉄道以外でもバス・タクシー・船舶等でも既に一部事業者でQRコード決済方式が導入されてきています。一方、利用者側の視点で見た場合には利便性に附随して不正利用等の監視・防止、スマホのアップグレードにより古いバージョンでは利用できないことへの対策などがあります。その他にも今年から固定電話網がIP網へと切り替えが開始されており、一部のサービス(おそらく利用頻度が少ない不採算サービス)が終了します。ここでも、POSレジやEDIなどへも影響がでそうです。