オフィス鴻

病院勤務医と開業医

2024年10月24日

あくまで一般論ですが、医師の平均年収は他業種に比べて高いと言われています。実際に厚生労働省の賃金構造基本統計調査では46歳で年収1,400万円前後で年齢的には50~65歳あたりがピークだとあります。仮にストレートで医学部を最短卒業(24歳)、初期臨床研修修了(26歳)、専門医資格取得(29歳)として、その後大学病院等で臨床を積んでいくとすれば仕事の内容から決して突出した金額ではなく、社会保障制度などの違いを考慮する必要はありますが諸外国と比べても大きくは変わらないようです。また、最新の医療技術を習得するために、学会(海外もあり)への参加、専門書籍購入等の費用が嵩むこともあると思われます。

また、開業医と言う選択肢もあり、専門診療科にもよりますが高額な医療機器を揃える必要があれば、過剰な検査・投薬等によって費用を回収しようと考える方がいてもおかしくはありません。ただ、自由度・裁量と言う点では週2日の休診日、診療時間帯が決まっているなどの利点は増えると思われます。さらに、人気のクリニック等であれば相応の収入増が期待され大学病院勤務医より収入面の大幅なプラスを実感できる可能性があります。しかし、最近はクリニック等を含めた医療機関の倒産が増加しているといいます。先程のように開業初期費用を回収するには1人でも多くの患者を診る必要がありますし、万が一体調不良等で長期休診ともなるリスクも高いと思われます。それが原因なのかは分かりませんが、最近特に増加しているのがメンタルクリニック・眼科、明らかに減少しているのが小児科・外科(整形は除く)のように感じます。

特にメンタルクリニックは、精神疾患による休職者等が増え、精神疾患障害の研究が進んできたこともあり、乗降客の多い駅前には複数のクリニックが乱立している状態に見えます。編集人もこのコラム内で主治医(大学病院勤務医)の体調を心配するほどの勤務について、患者の目線からコメントしてきましたが開業医にも特有の事情があるようですね。