ドライアイス不足問題
2024年11月03日
今年の猛暑で、アイスクリーム・氷菓子類の売り上げが大きく伸びた企業の課題に、ドライアイスの供給不足があったそうです。簡単に言うと、テイクアウト用のドライアイスが手に入りずらく、店舗では30分程度分に制限されるため自宅へと持ち帰ることが難しくなり、結局店頭や店内で食べることが増えている状況のようです。それでは、ドライアイス不足が起こっている理由は、既に10年以上前から石油精製等の化学工場で副製産物として製造される二酸化炭素が工場の閉鎖等により不足しており、産業構造の革新がドライアイス自体の供給不安定に結びついたことが直接的な原因と言われています。
また、生鮮・冷蔵・冷凍産品等のECマーケットの市場拡大(ふるさと納税返礼品なども影響しています)が需要を後押ししたこと、需給関係・コスト面からドライアイス単体のライン生産設備増設は採算面で難しいことも、この問題の解決へのボトルネックになっていると思われます。最近第6次産業として注目を浴びている海産物加工業者も、ドライアイスを更に発展させた新たな冷凍保存技術開発を進めていますが、その規模感から考えてもすぐに需給環境が改善されることは難しいでしょう。
少し話題からはそれますが、1970年代に故菅原文太氏の代表作である「トラック野郎シリーズ」では、演出上の効果を含めて派手な外装を施したトラック(通称;デコトラ)で過積載・速度超過などをしながら稼ぐ映画が評判になりました。特に鮮魚便は現在の法律では明らかな違反行為ではあるものの、鮮度の高いうち(高く売れる)に消費地へとトラックが向かう場面が多くあります。編集人も今だから話せますが、航空便で羽田空港に送られてきた海産物を積んで魚市場(築地等)に納品に行くと、度々納品場所の卸順番などを巡ってドライバー同志が喧嘩するのを見かけました。また、編集人の片手には当時手鉤(てかぎ)で相手に傷つけられた痕跡(10cmほど)が今でも残っています。