オフィス鴻

私有車の業務使用

2024年11月25日

道路交通法施行規則第九条では、①社用車を5両以上所有している、②乗車定員が11人以上の車両を所有している場合には、一般貨物自動車運送事業を行っていなくても「安全運転管理者」を選任して公安委員会に届け出る義務があります。運送2024年問題と合わせて営業車両(緑ナンバー)でなくても運行計画の作成やドライバーの点呼・酒気帯びの有無・安全運転の指導などを行うよう改定され、敢えて選任要件を満たさないよう減車する企業も増えています。実際に、車両台数や保険料・ガソリン代・保険・車両台帳などの整備に加えて、職場でアルコールチェッカーを設置した企業も多いのではないでしょうか。先述の私用車を業務使用する場合についても、企業側には管理者責任があることが意外と見落とされており、民法第715条では会社側が従業員に対し適切な指導をしていなければ、会社にも損害賠償責任があること(使用者等の責任)と定めています。

なお、企業が従業員の私有車を使用させる場合でも、企業側で車両管理責任者を選任した上で、車両管理規程等で様々な決めごとをしておく必要があります。企業が従業員の私有物を有償・無償に関わらず供出使用させる場合でも、万が一事故等が起きた場合、企業側が負うべき責任範疇は法律で定められており、企業側が納品や移動等で従業員に私有車を使うよう指示した場合には、企業側で車両管理責任者(一定の条件があります)を選任した上で、車両管理規程等で様々な決めごとをしておく必要があります。

また、私用車の必要経費(燃料代・通行料・車両維持費・任意保険料等)を支払うだけでは管理として不十分であり、その安全確保に関して「私有車の業務使用に関する規程」によって車検証・保険証券等を管理する、使用する場合のルール(申請書・運行記録等)を定めておく必要があります。最近では、車両管理システムサービスを提供するシステムベンダーも登場していますが、役員付運転者を外部委託するのも一つの選択肢でしょう。