救急外来の判断基準
2024年10月25日
救急外来とは、突然の身体異常(高熱・苦痛・外傷など)に対して緊急的に一時的措置を講じ、必要に応じて入院や高度治療(手術など)などを行う、いわば急性期疾患等の診療を行ってくれる専門の部門です。当然ながら、深夜など全ての専門医が対応できる時間帯でないことも多く、次の診療に向けた症状(病名)の評価を最初に行ってくれる大切な初動であり、状況によっては帰宅が許可されることもあります。患者側の立場からすれば、その後に症状が悪化する可能性に不安を感じることもあるとは思いますが、あくまでも救急診療の範囲で医師が判断することですから、できれば普段から相談できる掛かりつけ医がいれば正しいコミュニケーションが図れる可能性は格段に高くなると思われます。
しかし、日本が誇る国民皆保険制度も慢性的な医療費増大が高齢化等による財政負担により維持できなくなる可能性を鑑みれば、後世(現役の次世代)に負担を先送りすることは高額な難病治療を必要としている編集人にとっても慚愧の念に堪えないところです。もし、高度な治療を受ける必要があればかかりつけ医が最も適切と思われる病院宛に紹介状を発行してくれますが、中には「有名な〇〇大学病院」を指定する患者も多いと言います。もちろん、病名が確定している、またはその可能性が高いのならば特定疾患に対して専門性の高い病院を選択してもらえるよう医師に相談することも間違った判断とは言えません。そのように考えると、人間性のエゴが極端にでるのが救急外来の現場の姿なのかもしれません。
もちろん、明らかに軽症であるのにタクシー替わりに救急車を要請するなどの行為は、他に救急診療を必要とする患者にとっても迷惑この上ない話であることも事実です。今後、後期高齢者が増えることは確実で、実際に財政破綻を経験した北海道夕張市では総合病院を縮小したところ医療費が自然と減少してきていると言います。極端に高度医療・介護に依存することない共生のあり方も時には考えたいものですね。