オフィス鴻

難病と詐病

2024年10月22日

編集人は現在「自己免疫介在性脳症」という非常に臨床例の少ない難病治療を続けています。未だ治験が行われる目途もなく、主治医が対処療法や効果がありそうな薬剤使用を試みてくれていますが、徐々に症状が全身に拡がっていて長期的に見ると少しづつ悪化しているように感じます。過去の出来事を思い出してみると小学生の頃からあったごく僅かな体調不良や違和感の原因が様々な医療機関でも異常が認められず、詐病(病気だと嘘をついている)やストレス性疾患と言われたことも多くありました。なお、2017年頃からゲノム技術の進歩により原因抗体が判明したことで、やっと医学的に有効と言われる治療が受けられるようになり現在に至っています。

実際に難病を経験して思うのは、日々これまで普通に出来ていたことが出来なくなることは精神的ダメージになりやすいことです。特に外出できないストレスは大きく、編集人の場合は信頼できるペイン系クリニックの医師、現在の主治医(自宅に近い大学病院)、セカンドオピニオン(専門研究を行っている国立大学病院教授)との出会いと家族の協力があって、そこにフルタイム勤務は無理でも国内外から仕事の依頼が月数回あることで、闘病生活の中で自分の居場所(承認欲求に近い)を作れたことは幸いでした。特に現役時代には様々な文章(プレゼン・報告・株主総会・謝罪文など)を作成することが多く、このブログを始められたこと、Kindle版書籍を発刊することに繋がたことは大変ありがたいと感じています。

最後にもし医師の診察を受けても病名が判らず身体の異常が改善しない場合は、まずは信頼できる医師を見つけることからスタートすることをお勧めします。自宅近郊のクリニック等でもこまめに記録をつけ文字化(これが信頼関係構築のコツだと思います)した上で医師と話をすれば専門医への紹介状を書いていただけますから、インターネット上で探した高額な自費診療や民間療法等に頼る前にまだ出来ることはあると思います。