オフィス鴻

悪徳商法と持続的経営

2024年10月20日

何かと不安を煽ったり、さもバックに国家や大企業がいるように見せかけて高額商品を売りつける、ねずみ講に勧誘する、多額の割引料金を提示して前入金させサービス実態のない勧誘を行い計画倒産させるなど、オレオレ詐欺やSNS上の繋がりだけでの強盗致傷犯罪以外にも詐欺的商法が蔓延しています。また、合法的なサービスを提供する企業等でもコールセンターになかなか電話がつながらない(本当に人員不足の可能性があることも否定はしません)うちにクーリングオフ期間が終了してしまうといった、消費者契約法の盲点をついた悪意を持った商法トラブルへの注意喚起を消費者庁や消費者センター窓口が盛んに行っています。

正常な倫理観や判断能力が働くうちは「少し変だな」と感じることが大きなトラブルに巻き込まれないために最も必要なことなのですが、社会的経験値の少ない若年層だけでなく中高年層でも目先の利益(年利〇〇%の配当など)で正常な判断が出来ずに投資被害にあうことも多いようです。もし、企業活動においてもリスクをとらないでリターンを得るビジネスモデルが主流であれば、経営者の中にはステークホルダーへの説明ロジックに正当性をもたらすことができる可能性はあります。しかし、新規事業投資や起業といったリスクの高いビジネスに挑戦してみて初めて気付くこともあります。それは、そのリスクを成長性への原動力に結実させるには、臨機応変に従業員と組織編制の見直しに対する投資の尺度がずれていれば、どんなに優秀な人材を集めても成功への道のりは遠いことを幾度となく見てきました。

結局、会社の持続的成長源となるのは、経営者自身が改革というリスクと既存事業の安定性に対して程良いバランス感覚で経営を行うことが求められているのだと思います。その上で、企業理念に基づいた経営を目指していても、時には創業期や成熟・衰退期に一種の麻薬にも似ている粉飾決算等に手を染めてしまうこともあるかも知れません。経緯者に本物を見抜く心眼が求められる所以でしょう。