オフィス鴻

目的の曖昧な業務

2024年11月08日

仕事の本質の1つとして顧客・ステークホルダーに満足してもらうことと定義すると、企業経営とはその顧客満足度に対して喜んで対価(報酬)を支払って頂けることと言い換えることができます。良く管理部門・間接業務では生産性向上が図れないと言われますが、少しづつでも創造的な仕事に取り組むことで、新たな付加価値を世の中に届けることが仕事をする楽しさに結び付くと編集人は考えています。ポイントは社内外にいる顧客のことを常に意識して活動することが無駄な業務を削減する1つの方法であり、過去の失敗事例は省みる必要はあるにせよ、顧客の存在しない会議・資料作成等は表題の「目的の曖昧な業務」であると考えています。その課題点を見誤ると得意先や従業員にとって無駄な時間となり得る可能性が高く、結果的に無駄な業務が増え続ける負のスパイラルに陥るジレンマと表裏一体だと思われます。

一般的な日本企業ではピラミッド型ヒエラルキー(階層)構造になっている場合が多く、人的スキルが低ければ出来上がってくるプロダクツ(製品・成果)の品質が市場価値を上回ることは殆どなく、そこに投じられた資産(人的資源に対する金銭的価値)は外部委託した方が合理的である場合も多いと考えています。特にマニュアルの類を作成すること自体が仕事の目的化してしまうと、最初の説明会以降改訂が繰り返され省みられることのないマニュアル自体が机の中を占拠するといった本来の目的(顧客満足による企業価値向上)から逸脱するケースを多々見てきました。

また、大企業ではタレントマネジメントシステムの導入が生産性向上やDXに繋がると考えられ導入されていますが、冷静な視点を持って見ればどのくらいの導入企業でプラス効果が創出できたかを定量的に把握できないのかが課題だと思われます。つまり、DXによる変革は最初に「考え方を文字等として表現する能力」があり、IT機能・生成AI技術等を従業員が使うことで初めて創造的業務時間の増加に結び付くのだと考えています。