オフィス鴻

令和のコメ不足

2024年10月02日

農業主体の地域と異なり、都市圏では昨年比で2024年度産新米価格が1.5~2倍程度にまで急騰しました。収穫期を終えた新米でも価格上昇が定着しているようですが、諸物価・人件費の高騰などの要因を考えれば致し方ないのかも知れません。編集人の学生時代には政府主導で減反政策がすすめられ、米を作らない農家に補助金が支給される農政が実際に行われていました。今回のケースでは昨年の収穫米の品質劣化、そしてJA(農協)のHPでは農家への仮渡金(概算金)が各地で大幅に引き上げられたことが掲載されています。

全農など出荷業者と卸売業者との相対取引がベースにあり、米価はこれまで再生産費用を割りかねないほど低い時期が続いたことを理由にして本年6月に公布・施行された改正食料・農業・農村基本法に基づいて食料の価格形成は「合理的な費用」が考慮されなければならないことが定められたと掲載されています。一部には備蓄米の活用として学校給食やこども食堂などへの無償配布を9月から開始しましたが、一般消費者の目線では日本の消費人口が減少する中で食糧安保政策そのものにも影響が及ぶため、様々な法的制約はあるにせよ単純に市場原理に任せる農林水産省(大臣)の姿勢には正直がっかりしました。結局は、残念ながらコロナ禍でのマスク・消毒薬の買い占めと同じことが繰り返されており、昼間働いている本当に必要な人に米が行き渡らず、不安を煽られた一部消費者(特に高齢者)や転売目的者がパニックに乗じて棚陳と同時に買い占めているのが現状のようです。

編集人宅は妻と2人暮らしですが、いつも注文している福島県産の米があっという間に2倍(5kg 8,000円)に高騰していました。ここにきて若干円高傾向となってはいますが、国際的にも穀物価格はウクライナ紛争等により上昇傾向にありますから、暫くはパンや麺類を若干増やすことにして様子見しようかと考えています。結局は一部の人間のパニック的行動が収まれば、適正価格に収斂することでしょう。