障害者への誹謗中傷
2024年11月15日
以前、某神社の外壁が崩れ下敷きになった事故で下半身不随になったアイドルグループに所属している方がSNS上で様々な誹謗中傷を受け、その相手と対峙しているとのAERAの記事が目に留まりました。「ビジネス下半身不随」といった完全に人格を否定し人間の尊厳そのものに関わる言葉を平気で投げつける人がいることに大きな悲しみを覚えると共に、大きな障害と引き換えにわざと事故に遭ったという中傷もあったそうです。実際に車椅子生活をせざるを得ない生活では、普通に歩いたり外出できることがどれだけ幸せなことなのか、また失うものがどれだけ大きいのかを知っていれば、このような誹謗中傷のコメントをすることは同じような両下肢障害を持った編集人には許せないことです。
同氏によれば、負けず嫌いの性格と悔しさから誹謗中傷する側が満足感を得ていることに対して許せないのが理由だとありました。それでも、何かにつけて弱者を叩くような行為はいずれ自分自身に報いが返ってきて初めてその愚かさに気付くのだと思います。また、法改正(情報公開)が進んできましたことで、匿名性の高い発信相手でも特定しやすくなりSNS上に証拠が残りますから損害賠償を認める判決も徐々に出てくるようになりました。最近の医学の進歩で、脳や神経に起因する疾患への研究も大きく進んでいますが、障害を負った当事者でなければ医師でもわからない症状はまだまだ多く、完解(普通の状態になること)するための治療法すら確立していない難病疾患も300以上確認されています。
編集人もまだ若干症状が軽かった時にコロナ禍が起こり、東京・神奈川で緊急事態宣言が発令されたため最も研究が進んでいる国立大学附属病院への入院寸前で検査や治療が約2年間受けられなかったことで、症状がどんどん進行してしまった経験をしています。それを今更悔やんでも仕方ありませんので、同じ疾患で苦しい思いをしている患者さんの役に少しでも役に立てればと年数回のしんどい入院治療を続けています。