オフィス鴻

中高年のリスキリング

2024年11月18日

編集人が良く利用するTAXIGOという配車アプリサービスがあります。先日、所用で都内に出向いた帰路で利用させて頂いた乗務員の方と世間話をしている中でお互いに「そうなんだよね」という話題になりました。発端は編集人がタクシー会社のご厚意で身体障害者割引利用をお願いした際に、57歳で難病治療に専念するため仕事から離れたことをお伝えしたところ、その乗務員の方が55歳からタクシー乗務員をされているのだと話してくださったことでした。その方は某外資系IT企業に勤務されていた方で、相応の役職に就かれていたとのことでしたが、毎年成績下位10%に相当する従業員を新卒・中途入社社員と入れ替えるため、そのストレスに耐え切れず退職されたそうです。その後、乗務員さんになってストレスから解放されたと話しておられました。

日本の労働法では、欧米諸国のように期間の定めのない従業員を金銭的補償で解雇することはできません(整理解雇の4原則)。そのため、退職合意書に双方が納得すれ形で実質的に解雇する方法が多く持ち入れられています。編集人も人事管掌役員として約500名の従業員を実質的な整理解雇(指名と同じ)したことがありますが、他の企業でも良く聞く話で最後は自分自身が会社を去る方が多くいました。しかし長年同じ企業に勤めていると、どうしてもその企業特有の思考が残ってしまうため、最近ではリスキリン後の前作業としてアンラーニングと呼ばれるこれまでの経験・知識等を一旦リセットすることが必要と言われています。しかし、無意識のうちに染み付いた行動・言動などの立ち振る舞いを変えることは容易ではなく、特に企業名や役職に触れずに一定期間過ごすことで感じた違和感こそが、その後の再就職やリスキリングには役に立つと言う考え方です。

編集人も、現在はスポット業務に限って仕事を受けさせていただいていますが、名刺には企業名も役職もいれずに「果たせる役割」としてアグリゲーターと連絡先のみ入れて活動しています。