企業研修での違和感
2024年12月16日
企業内で研修を受ける、大学院等で講義をする時にある違和感に悩まされる時がありました。それは、その研修後に本当に参加者の意識に変化を起こす有意義なものであったのか、一方通行で研修を進める・受けていなかったかという自省(内省)に近い感覚でした。すでに30年以上前から人事・経営企画等に携わっていた身としては、どうしても上から目線で、「会社のため、従業員のためになる研修を行いたい」といった意識があり、またトップダウンの指示で行う研修だとしても「結局は人を育てる等の考え方はおこがましいことであり、人が育つためのサポートをする」のが本当の意味での研修ではないのかと言う素朴な疑問でした。
昨今はマネージャーに対する責任や批判が多く聞かれますが、そもそも成長志向のない従業員をサポートしていくには非常に大きな労力と忍耐力を必要とします。特にミドルマネジメント層は現業部門にも携わりながら経営層に近い課題解決も行う日本企業の特徴とも言える、最もストレスが多くなるポジションでしょう。組織の中で経験値を次のスキルや知恵として活用できる従業員の企業内での割合は決して多くありませんので、現行の労働法下では厳しい解雇制限がある以上、マネージャーが与えられた枠の中で支援できることには限界があります。そこで教育研修が行われる訳ですが、第三者(取引先・異業種・知人等)から自分に不足していた物事を学ぶことが出来る方は経験的に自省(内省)する力に優れていて、研修後に変化を感じることができました。
その他にも修羅場を経験すること、知識をインプットしてアウトプットする習慣を身に付けることなどが成長支援の機会となることもあります。その観点では、最終的には体験したことのないことについて学習できるものは少なく、経験・学習(内省)・実践のプロセスを繰り返すことが最も部員(従業員)のサポートに有効ではないかと考えています。言うは易し行うは難しの課題ですが、謙虚に学ぶ姿勢こそが成長の原動力だと感じています。