EC物流の外部委託
2024年11月24日
物流業界では、ECサイトの盛況を受け多くの事業者が物流代行業者を含む物流事業者に業務委託するようになってきました。EC物流委託では消費者に最も近いところにあることから、フルフィルメント型でない限りは業務委託契約書に必要事項が漏れないよう記載しておくことが望ましいとされています。ただし、ラストワンマイルについては、Amazonを始め多くの事業者や個人事業主が入り乱れるような状態ですから、今後はある一定の範疇に収斂されていくと編集人は考えています。しかし、ECではインフルエンサーによって突然特定の商品が爆発的に売れ始めたり、これまでリピート率の高かった商品販売数が突然落ち込むこともあります。
また、殆どの物流事業者は保有する固定インフラ(倉庫・車両・システム等)を活用しながら効率的に作業を進めることで収益を上げるビジネスモデルを採用しています。そのため、急激な出荷数量の変動(特に増加・繁忙期等)があると、入出荷が滞る、保管状況が悪い、担当者に問い合わせてもレスポンスが遅い・ないなどのマイナス面が目に付くようになります。ロジスティクスに長年携わってきた編集人は、物流現場に1日いて稼働状況を見れば大凡の物流品質レベルと業務フロー上の欠陥等が判るようになりました。特に1日に数十点程度の出荷量の荷主では、受注から発送までの作業を他業務の合間に行って固定費(特に作業人件費)を埋めることになり、輸入品等にはITFコードやJANコードが無い商品も多く存在します。そのような状態で業務受託すれば、トラブルがいつ起きても不思議ではありません。
つまり、ECサイト経由での業容を拡大していくには、ロジスティクス全般に関する知見があり行動力のある担当者を配置する必要があるということです。そして、荷主は長期間出荷が殆どない商品は損切りしてでも早く処分(在庫を金銭に替える)することで、倉庫内環境の維持、キャッシュフロー・バランスシートの改善にも繋げられるのです。