オフィス鴻

大衆飲食店と高級店

2024年12月12日

日本各地の飲食業界・宿泊業界ではコロナ後も人手不足が顕著で、スキマバイトに頼ることも多くなってきました。特に飲食業界でもインデペンデント(個人経営)居酒屋などは、ごく一部の繁盛店を除いて時給1,500円でも応募が無く、混雑時にはこれまでと同様のサービス提供が難しくなっていると言います。家族経営の個人店でも物価高騰(特に電気・ガス・輸入原材料)により、本来なら1~2割の値上げをしなければ黒字経営にならないと言われますが、実態は値上げによる客離れを心配して価格を据え置く店も多いそうです。結果的に、高齢者が営む店では経営者の年金等をつぎ込む形で維持できている間はまだ経営を続けられますが、借金(金融機関からの借入)するくらいならば年齢・体力的にも廃業する選択をされる方も実際に増加しています。

最も影響を受けるのは、中規模(客席数が30~50席程度)で客単価が2~3千円程度のあまり特徴のない飲食店であり、注文を受けても料理やドリンク提供が遅くなります。最近はタッチパネルやQRコード方式での注文・会計に切り替えることで、日本語が堪能でない外国籍の方でも接客を担当出来るようになりましたが、日本人店員と同じサービスレベルを望まないのなら、最低限のサービス(席まで料理や飲み物を運ぶ)として客側も受け入れる必要があるように感じます。むしろ、その方が余計なトラブル(カスハラ等)への対応に追われることもなくなるため、経営者(店主)が腹を括ってしまえば事業を継続できる可能性は高まるでしょう。

その対極にあるホテルや高級店では、1人当たりアルコール類を含めて3~5万円の料金にはなりますがサービスレベルは格段に上がります。特に高級寿司店ではメニューを置いていない店(いわゆる、その日の仕入れ状況によるお任せ)が多く、当日一見客が予約なしで入れる店は少ないです。ボッタくり店でない限りは個々に価格に応じた使い分けをすれば良いと編集人は思っています。