オフィス鴻

無保険車への対策

2025年01月15日

自動車・自動二輪車での交通事故件数は、車両性能(追突防止機能など)の高度化により若干減少傾向にあり、またドライブレコーダーの普及が事故原因究明へと結びつくケースも多くなってきました。一方で、万が一交通事故に巻き込まれた場合に相手方車両が無保険車(任意保険)であるケースもあり、全体の1割が対人任意保険に加入していないことが損害保険料算出機構のデータで明らかになっています。自賠責保険(強制保険)は車検時に必要なもので、対人損害賠償を最大3千万円まで補償するよう決められています。しかし、対物(車両)損害は補償外であり、人的損害を含め加害者に支払能力・意思がなければ訴訟により解決していくことになります。保険会社によっては、弁護士特約・無過失事故特約などを利用することが出来ますが、それでも訴訟から判決が結審するまでには相応の時間を要するケースも多いようです。

保険会社はアクチュアリ数理計算を用いて保険料を計算しますが、最近ではネットで簡単に申し込める(営業人件費が殆どかからない)ことで以前に比べれば人的損害に対する保険料自体は安くなっています。その一方で、盗難の多い車種などは逆に物損等に係る保険料が高くなったり、車種によっては取扱い自体がない場合もあります。昨年、大手損害保険会社や車両量販店による不正問題が世の中を騒がせましたが、その背景には癒着・談合行為があったことが判明しており、損保業界の闇の部分が浮き彫りにされました。また、自然災害の甚大化に起因する保険金支払額が年々急増しており、今後はアクチュアリも生成AIが主流になる可能性も高まっていくと想定されます。

無保険車問題以外では、飲酒運転によるひき逃げ事案では事故現場で逮捕され基準値以上のアルコールが検出されれば危険運転致死傷罪が適用されるため、一旦アルコールが抜けるまで出頭せずに過失運転致死傷罪になることを狙っている輩もいると言われています。もちろん、交通事故が起きたら最初に負傷者救護が優先されることは当然ですね。