観光立国と日本食
2025年01月04日
空前の円安が続く中、観光庁の資料では2023年度の国際観光収支は4兆円の黒字だったとありました。世界各地で空前の日本文化(特にマンガ・日本食等)ブームが起きていて、超富裕層向けインバウンドは最高を記録したことで、これまで日本人相手の飲食店が観光客向けに衣替えするなどしています。銀座の寿司店でも「おまかせ」がブームとなっていたことは知られていますが、一方で京都を中心に市営バス・地下鉄等に大きな旅行用のトランクを持ち込んだりして地元民の生活環境が保てなくなる、いわゆる「観光弊害」も報告されています。これまで日本人客相手の飲食店では予約の多くが訪日客となり、売上・利益はあがるものの常連客の姿がめっきりと減った店も多いそうです。
たまたま、鹿児島大学病院への入院前に妻への感謝の意を込めて「佐賀(唐津市)」「熊本(熊本市)」「鹿児島(鹿児島市)」で1泊ずつして、まだ歩けるうちに美味しいものを食べてこようということになりました。佐賀(唐津市)では「呼子のイカ(残念ながら剣先は品切れでした)」、熊本市内では「熊本産の車海老」、鹿児島市内では何度か訪れたことのある「寿司屋(回転寿司ではありません)」と「珈琲・パフェ専門店」に立ち寄り、それぞれの味覚を堪能してきました。その中で訪日客と出会ったのは鹿児島の寿司屋だけで、日本語が理解できずに妻が通訳すると注文はサーモンとツナ(まぐろ)だけで小一時間で店を出て行きました。決して高価な店ではないのですが、妻と2人でのんびりと過ごせたこと、宿泊先・飲食店での対応が非常に良かったことで少し早い最高の誕生日プレゼントとなりました。
東京豊洲の魚市場では1杯1万円の海鮮丼が訪日客に飛ぶように売れているそうで、ちょっとした飲食店のミニバブル状態のようです。しかし、日本人の中にはこのような状態が長くは続かないだろうと考えている方や、ボッタくり的な商売に苦言を呈する方もいます。日本文化を理解して楽しんでもらうためには、日本人側にも節度が必要だと感じます。