アントプレーナー福島
2025年01月22日
EYアントプレナー(起業家)オブザイヤーJAPANに福島県の天栄村で電子部品製造を手掛けるアルファ電子が選ばれました。個人的な話で恐縮ですが、天栄村からはふるさと納税が導入される以前から知人の勧めで毎年農産加工物(2,000円相当)を購入していました。実際に、東北地方(主に福島・宮城・岩手)の東寄りには多くの電子部品工場(大手メーカーの下請けを含む)があり、中国へと生産拠点がシフトしていた時期には閉鎖される工場が多かったと記憶しています。現在の中国は不動産バブルの崩壊、新卒大学生の就職難、人件費の高騰、欧米諸国企業の撤退など経済状況が極めて悪化している状態ですが、SCM全体や技術流出を考えて国内回帰の動きがあり、再び東北に半導体等の電子部品工場が戻ってくるかも知れません。
また、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)により大企業がコア業務以外のリソースを外部委託する傾向が出てきていることは、地方から首都圏にでてこなくても済むような職場ができることになり、最低賃金等の課題はあるにしても地方創生の一手段として活用する企業が増える可能性はあります。これまでも、コールセンター業務などを地方で行う企業はありましたが、カスハラなどで従業員の定着率が低くなる傾向がありました。例えば医療に関しても地方での待遇が都市部に比べて低いため、医師や医療関係者が少なく、統廃合する医療機関が多くなりました。その点でも、リモート業務が可能なものは地方を再生するチャンスであるように感じます。
特にワークライフバランスを考えると就業可能者にとって選択肢が増えていますが、地方では実家暮らし・車の必要性など都市部とは異なった課題もありますから、今後の日本にとっては今が過渡期だとも言えそうです。都市部からの移住者に対して様々な特典(3年住めば土地がもらえる、子供が生まれれば一時金が支給されるなど)を用意している自治体もあるようですが、最終的にはそこで生活できる基盤が必要でしょう。