オフィス鴻

医療事故と医師偏在

2025年02月02日

昨年、数件の医療事故による判決が下されました。その多くは、手術時における医療ミスでは、患者の取り違え(各入院患者には必ずネームバンドが付けてあります)、手術場所(左右)の勘違い、執刀ミスが多いようです。残念ながら重い後遺症が残ったり最悪の場合患者が死亡することもあり、高額な賠償金を医療機関側が支払うケースも見受けられます。編集人も主治医のいる大学病院で手術を受けましたが、執刀医・麻酔医・看護師など10名近い方が関わって必ず氏名や患部等を確認していました。また、知人の中には医療機関でいきなり手術を勧められたため、セカンドオピニオンとも話し合い、手術をしない治療法を選択した方もいます。ただ、医療機関での手術件数が医師の実績としてカウントされることもあるようで、不要な手術を勧める医師の存在も否定できないでしょう。

編集人の場合は、難病治療に必要な検査の過程で腫瘍マーカーが高値であったことからガンが判明したため、一旦免疫治療を中止して手術を選択しました。初めて手術を経験したのですが、生検により他臓器への転移リスクが高いことが判り、当初はステージ3と診られていたものが数ヶ月後の手術時(コロナ禍の影響で遅れました)にはステージ4(転移)の直前の病状と急激に進行していました。結果的に大学病院の他科の主治医同士でしっかりと調整して頂いたことが功を奏した形ですが、ガンの進行が思いのほか免疫治療の影響もあり早かったようです。現在では1年に1度の検査で済んでいますが、いつ原発不明で再発してもおかしくない状態です。

また、首都圏であれば専門科のある大学病院は多くありますが、地方では医師が足りずに診療科を減らす医療機関も多いようです。医師の中でも産婦人科・外科などは訴訟リスクが大きいとされているそうで、最近では美容整形や眼科・精神科などリスクの少ない医療分野を専門とする医師も多いようです。患者自身も簡単な情報収集はできる時代ですから、信頼できる医師を探すことも大切だと感じます。