オフィス鴻

臨床心理士の活躍

2025年02月01日

1988年に発足した公益財団法人日本臨床心理士資格協会のHPによれば、臨床心理士とは臨床心理学に基づく知識・技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”とあります。編集人も今から20年以上前に人事・組織面の戦略策定に携わるにあたり、大学で臨床心理学の学び直し(リスキリング)を行いました。近接する領域には医師・教師という職業もありますが、クライアント自身の固有な多種多様な価値観を尊重しつつ、その人の自己実現を手伝う専門家とされています。同様の職種には、心理カウンセラー、サイコセラピスト、心理相談員などがありますが、臨床心理士は文部科学省から全国公立中学校・小学校のスクールカウンセラーとして任用(派遣)されるケースも多いようです。

編集人が義務教育を受けていた頃は、その役割を学校内の保健(医務)室の先生が担っていたような記憶があり、ある種の駆け込み寺的な存在でした。最近は不登校児童数が30万人を超えているとの文部科学省の調査結果がありますが、幼少期に親から受ける愛情不足が適度な距離感・信頼関係などのコミュニケーションに影響したり、感情のコントロールが難しい、新たな環境に馴染めない、他者への依存傾向が強い(自立できていない)などの問題行動の原因となっていることも多いようです。また、最近の医学研究等によって新たな精神疾患が器質性に起因することも知られるようになってきましたが、なかなか周囲に理解してもらえないこともあり孤立してしまうケースもあると言います。

実際に臨床心理士が専門的に行うのは、心理テスト等を用いての心理査定技法や面接査定では臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用しながら、その的確な対応・処置能力を持っていることだとされています。また、心理臨床実践に関する研究・調査とその発表等についての資質の涵養が求められるため、常に新しい研究症例を学ぶだけでなく人格も重要な要素になるなど、人間性が問われる職業とも考えられますね。