オフィス鴻

建設業界と運送業界

2025年02月23日

「運送2024年問題」と時を同じくして、建設業界での労働時間規制が強化されました。編集人の自宅近くで約170戸のマンション建設が始まってから既に半年以上が経過しましたが、土日祝日は完全に休工で荒天時(強い雨風など)は作業を中止しているのが見えます。当初は1年半程度で竣工引き渡し予定でしたが、最近の工期表を見ると分譲は2期に分け最初の引き渡しまで2年半以上の建設計画へと変更されました。準大手クラスの建設会社でさえ人手不足は深刻で、そこに資材費・人件費の高騰が重なったことで工期が伸びたと推測されますが、運送事業者と同じく下請構造があり週6日働かないと満足な収入を得ることは難しと言われます。

あくまで仮定の話ですが、土曜日を休工日とすることで建設従事者の収入が10%以上減少することになりますので、1人親方などは恐らく他の建設現場等で働いているものと思われます。運送業界でもAmazon社のように業務委託形式(歩合給)を取り入れる企業が増え、少しでも稼ぐために長時間労働や交通違反・事故の多発などが発生しています。本来、働き方改革は長時間労働を防止することを主目的としていましたが、現状を見る限りでは全く正反対の方向に向かわざるを得ない業種が多くあるように思われます。欧州(ドイツ)では、マイスター制度導入によりそれぞれのレイヤーごとに資格証明書が発行され適正な労働対価が決められていますが、日本の建設業界ではまだその段階まで達していないようです。

企業として利益を上げることは問題有りませんが、国民性の違いや格差を認めたがらない日本人の性格・資質等も影響して「働くことの美徳」が違う形で表面化しているように感じます。編集人も自ら進んで会社と交渉して運送事業の現業職(大型トラック乗務員)を1年間経験しましたが、正直なところ年間360日勤務、1日16時間労働をすれば年収が1千万円近くになる労働した分だけ実入りが増える時代でした。その働き方を現在の年齢で続けることは到底無理だと思われます。