埼玉順天堂大学病院
2025年02月03日
埼玉県さいたま市に建設予定であった順天堂大学病院(約800床)が、建設費の高騰(当初計画の2.6倍の建設費、約2,100億円)により白紙撤回されました。誘致を進めていた埼玉県(行政)では医師不足地域への派遣など大きな期待を寄せていたと言われますが、順天堂大学側の長期間にわたる対応に不信感が強いと言われていますが、医療事業に関して総事業費が2千億円を超える点を考慮すれば、ある意味で建設を進める意向はあったものの財政面で不可能と判断したことは経営判断として正しいように感じます。ただし、建設可否判断を先延ばししたことに対して道義的責任があるとも思われます。
多くの大学病院が丁度建設(立て直し)時期にあり、編集人の通う大学病院も新棟建設が3年遅れ、医療関係者不足(働き方改革)から100床減少させ、更に個室ではないものの4人床室(1日自己負担7,700円)を増やしました。結果的に無料の病床が減ったことで、他医療機関への転院も多く見られるようになりました。編集人は治療の関係で無償病床の空き待ちをしている時間がないため、有償部屋にしても問題ない旨を主治医に伝えていますが、1ヶ月以上入院する患者数や平均入院期間が減ったように感じています。現在、高額療養費制度を使えば現役世代でも8~15万円程度、年金生活者は3万円程度の医療費自己負担(3割負担分)で1ヶ月入院できますが、中には無料のホテルと勘違いしているような患者・家族がいることもしばしば目にします。
また、医師不足が各地で問題になっていますが、美容整形専門医療機関を希望する研修医も多いと聞きます。実際には10年以上の経験が必要とされている同業界ですが、初年度から年収2千万を提示されれば、いくら自己負担であっても患者が減らない限り、他診療科を希望する医師は様々なリスクや長時間労働などから少なくなっているようです。日本の医療制度改革もなんだか日本医師会の既得権益ありきのようで中途半端な感じですね。