オフィス鴻

路線バス移動難民

2024年12月30日

昭和中期(昭和30~40年代)に建設された公団住宅は、当時は最先端の流行りの団地生活でした。しかし、既に建設から50年近く経た団地群では難治内にあった商業施設の閉店、居住者の高齢化、空き室の増加(殆どがエレベーター設置が必要ない4階建です)、建替え・修繕などの諸問題を抱えています。特に公共交通機関の要である路線バスは乗務員不足から減便が盛んに行われ、一部地域では小型バスを使った乗合式のコミュニティ―バスなどを導入する自治体も増えています。結果的に、あと10~20年後には建て替えが行われるのと思われますが、かつてのように子供がたくさんいるような団地というより、高齢者や外国人の居住に配慮するようなことも起こりえるでしょう。

交通弱者と呼ばれる「移動制約者」は近隣で生活物資を調達することが難しくなり、またスマホなどの新技術についていけず生活基盤そのものが成り立たなくなってくる可能性もあります。特に路線バスの減便によりタクシー移動するにしても相応の料金がかかること、必要な税収が減少することで自治体の活動も一定程度の制約がかけられるなど、自己責任論だけでは解決できない課題に直面しています。その他にも、高齢者の外出機会(買い物・通院など)が減ることで、QOLのレベルがだんだんと下がっていくことが考えられます。また、明らかに認知症を患ってきていると思われる高齢者によるトラブルも増えており、あと20年もすれば超超高齢化社会化が進みますので単なる行政施策だけでは対応が難しい時期に差し掛かっていると思われます。

実際、編集人は60歳到達以前に両下肢障害(難病)により、自家用車の運転は全くしていません(免許証は持っています)。近隣の駅に行くにも、殆どがタクシー利用(現在最も近いバス路線は1日1便にまで減便されました)となり、路線バスの減便を肌身を持って感じています。また、行政機関が発行する「敬老パス(地域によって呼称は異なるようです)」の不正利用も多いようで、適正な料金値上げが必要だと思われます。