オフィス鴻

培養肉の研究

2025年03月24日

動物の細胞やその他の原材料を用いて作る研究が進められている「培養肉」ですが、まだ食感・見た目などの点ではコストを含めて実用化には至っていません。また、オーストラリアを拠点とした「シー・シェパード」という環境保護団体(?)の主張も、大量の二酸化炭素を排出して穀物等のエネルギー効率の悪い牛肉などを生産していることを考えた場合、海洋生物(特にサメと言われています)による人的被害が増加していると言う研究結果もあります。食は食文化であり、人間が生存していくために生み出された生命のサイクルだと考えれば、無駄な食文化(食べ残しなど)をしなければ適量の消費は理に適っているように感じます。

さて、培養肉ですが数年前に開発されたものは、お世辞にも美味しそうには煮えない代物でしたが、生成AI技術・科学技術の進歩等によってあと数年もすれば多くの食品が食卓に上るだろうと言われています。実際に食肉の使用量を減らして使わない代わりに植物性原材料(主にタンパク質)を使う技術が高度化していますが、やはり本物に近づけるにはまだまだ改良が必要なようです。つまり、「本物志向」を進める技術の開発によって味・食感・香りといった人間の5感に訴えるものが、何れ誕生していくのだと考えています。実際には、繊維質や成形技術などクリアすべき点は多いと思われますが、日本では季節の物を大切にする食文化があり、結果的には自然由来の物が最も理に適った食べ物として受けいれられていくものと思われます。

ここには消費者の心理的なハードルが起因しているとも思われ、遺伝子組み換え技術などの安全性が保証されない限りは次の1歩になかなか進めないのかも知れません。現在世界には80億人近い人々が暮らしていますが、その2~3割は十分なカロリー(食糧)を摂取できていない(統計調査により異なります)とも言われています。人間の最長寿命も120歳とされ、今後30年後には人口減少が始まるとも予測されています。次の世代にも現在の食文化を引き継ぎたいものですね。