パイロットの飲酒問題
2025年04月11日
パイロットと言えば子供が憧れる職業の代表格であり、最近は国土交通省の航空大学校を卒業しなくても大学に専門学部が新設されて航空会社に入社できるようになり、編集人の時代とは隔世の感があります。今から40年前と単純比較はできませんが、最近パイロットの飲酒による運行遅延・アルコールチェッカー不正などの報道が目立つようになりました。おそらく社内規定では飲酒量や制限時間等が決められていると考えられますが、それでも懲戒解雇もあり得る飲酒問題が起こるのは単なる個人の問題なのか、または企業内でこれまで許容する文化があったのかと疑いたくなります。更に企業側の報告が正しくなかったとして国土交通省から監査を受けました。
トラック運送業界でも、長距離トラックドライバーが高速道路を走行中に飲酒運転をして前方の車両に追突した死亡事故をきっかけにアルコールチェックが厳格化されましたが、それでも年に数回飲酒運転でのだ重大事故が報道されます。旅客機であればなおのこと運行保安要員としての使命がありますので、一旦事故が起きれば多数のけが人や犠牲者がでることは容易に想像できます。大多数のパイロットはきちんと自己管理していても、ほんの一部の不届き者の行動により企業の信用は失墜してしまう時代です。平均年収が2千万円とも言われるパイロット争奪時代ですが、たった1回の飲酒問題でも一生を棒に振るのは経済的にも割があわないと思います。また実際に過去の航空事故を見ていくと、不祥事により解雇されたパイロットが他社に就職して大きな航空機事故を起こしている例が見受けられます。
編集人が在籍していた企業にも社用車やトラックがありましたが、必ず出庫時・帰庫時にアルコールチェックすることが規程で定められていました。しかし、栄養ドリンクやあんパンを食べてアルコールが検出されることもあり、30分後にもう一度計測すると殆どの場合は0値になり乗務が許可されます。今後、オートパイロットが標準装備されれば環境が変わるかも知れません。