オフィス鴻

人手不足とミスマッチ

2025年04月28日

日本の多くの企業で人手不足が課題とされていますが、本当に人手不足なのか考察してみると、人手ではなく人材が不足しているのだと感じています。エッセンシャルワーク等では明らかに人手不足とも言える状況ですが、それは収益に拘って過剰な業務やサービスを行おうとするためであると考えています。具体的には、介護職やドライバー職などが該当しますが、現場を良く見ていると理美容や警備関係も同じように思えます。多くの企業ではIT化・DX導入等で生産性を高める動きが盛んですが、従業員が勤務時間内にどれだけ集中して仕事しているのかという視点では、まだまだ不要な労働時間(残業稼ぎも同じです)がたくさんある等に感じます。

先述の人材不足は、特に生成AI技術・システム開発者などが該当しますが、その他にも上級管理職のマネジメント層も含まれるでしょう。簡潔に言えば、創造的な仕事への取り組みが出来ない人材だとしたら、新たな価値は生まれてこないと言うことです。ただ、ここで勘違いしそうになることとして、対人コミュニケーションが苦手でも他に抜きんでた潜在的能力をもった方もいる点を理解できるかと言う点があります。一見仕事をしていないように見えても、本人はやり方を知らなかったり、必死にもがいていることも多くあります。他者と比較することより適材適所の人員配置と上司のコミュニケーション力があれば、持てる力を発揮できる人材が意外と身近にいるのかも知れません。不真面目に仕事をしているフリをしている従業員より、もっと企業業績に貢献できる人材だとも言えます。

その様に考えると、ピラミッド型のヒエラルキー構造が多い日本企業ですが、企業経営者が「人材」を見極める能力に長けていることは従業員にとってもその企業で働くことに満足感や幸福を感じることができると考えています。今後、さらにダイバシティ(多様な価値観)が求められる世の中になるであろうと想定される中で、仕事と人材のミスマッチが減ることが解決策のように思われます。