ディベート能力
2025年04月24日
欧米では義務教育・高等教育を通じて、自分の意思や考え方を論理的に相手に伝えるディベート技術を学ぶ機会が多くあります。日本人はこのディベートよりも相手の言いたいことを暗黙の内に理解して争いごとを避ける習慣があり、ディベートは少々難しいと思われる方が学校でも企業でも多いのが現状です。編集人は企画部門にて経営者のすぐ傍(距離ではない)で仕事をする機会に恵まれたため、「曖昧ではないが、間違った認識を相手に与えてしまう話し方」は極力避ける習慣が身に着いています。実際に経営トップの判断を仰ぐには、A4用紙1枚で伝える技術と裏付けとなる資料の出典を正しく理解しておく必要があります。特に統計資料は恣意的に使われやすいので注意が必要です。
それでは、海外留学しなくてもディベートに値する議論の進め方を身に付けることは可能でしょうか?編集人の答えはYesです。例えば、リスニング力を強化して相手の本心を理解すること、相手の表情から判断するタイミングを見極めること、幅広い思考力を身に付けるため様々な書籍や他人行動から考察する習慣を身に付けることなどが挙げられます。そのような視点で仕事をしていると、一般的に日本人の特徴として言われる「結論を出さない会議」はフリー・ディスカッションでディベートが出来る場合を除き、無駄な仕事であると考えて出席しない様にしていました。もう少し補足すると、目的のない仕事や会議は生産性を落とす原因の大きな部分を占めていると考えているのです。
もう1点は、ディベートは相手を論破するために使う技術ではないということです。時には、相手がぐうの音も出ないくらいに論理的に反論することがありますが、必ず否定用語から入らずにしておくことで、相手に理解してもらう努力、そして「窮鼠猫を噛む」状態まで追い込まないよう気を配っていました。つまり、相手とのディベートでは会話のキャッチボールが出来る感情の距離感を測りながら、着地点(目的)がずれないように進めていくことになります。意外と簡単ですよ。