オフィス鴻

アメリカのLCC

2025年04月18日

アメリカのLCC航空会社であるジェットブルー社が創業30年で全米第5位の規模にまで成長したという記事が目に留まりました。同社は、サウスウエスタン航空の良い点を真似て格安運賃と高度なサービスを行わないLCCとしており、効率化(自動発券システム)と利益化(同機種を導入して到着後40分で次の便として運行できる体制)などを積極的に導入することで、LCC各社との差別化を図ってきました。現在は国際線やボーイング737型機以外の長距離路線用中大型機も導入しているそうで、日本とは経営環境は異なるものの高いレベルのサービス(座席シートの改良や無料のスナック提供など)を徐々に導入していったと言います。

アメリカでは2001年9月11日のテロ事件後に乗客数が激減したこと、2019年から始まったコロナ禍で経営不振から淘汰されていったLCCが多いものの、サービスの拡充が奏効して他社より上質なサービスをLCC価格で取り入れたことが成功要因だと言われています。その中には、路線の新規就航・撤退もありますが、最も成功要素の高い点はビジネス客需要を取り込んだことにあると編集人は考えています。実際、2024年の四半期決算では約100億円近い営業損失を出していますが、長距離・搭乗率の高い路線などに経営資源を集中させることで結果的に高単価の乗客の取り込みにも成功しているそうです。航空会社はナショナルフラッグ(国営企業)化していることも多かったのですが、今やLCCの方が成長性は高く評価も良くなっているようです。

例えば、日本航空は東亜国内航空の買収あたりから日本全国への直行フライトを増やしていきましたが、ある意味寄席集まり所帯から最近は様々な取り組みを始めています。また全日空(ANA)は日本航空とは異なるコンセプトで高客単価で収益性に特化したような取り組みをしているように感じられます。編集人も4月16日まで台湾に行ってきましたが、ビジネスクラス席の高級化はここまで来たのかと感心しました。