オフィス鴻

運送事業と生成AI(1)

2023年03月25日

編集人は、メタバース(仮想空間)という言葉が巷で認知され始めた頃から、VR(仮想現実)でアバター(分身)となり、自己存在表現が可能な社会が訪れると考えていました。また、生成AI技術を活用した新商品(サービス)、You(V)チューバ―、プロゲーマーなど新たな職業も誕生する一方で、「炎上」や身元を明かさない誹謗中傷行為(反復攻撃)など、承認欲求を満たすため別人格アバターで自己中心的な正義感を正当化する方も一定数おり、大きな社会問題となっています。また、宿題や試験対策、論文等に使用することは、使い方次第では人間に与えられた「考える習慣」を脆弱化させることにもつながりそうです。

さて、「生成AI技術」は、文章・視線・音(声)など人間的表現の変換技術が進み、業界・業種・職種を問わず、活用方法次第では従業員の発揮能力・生活品質の向上(QOL)が見込めます。また、能力基準のシフト管理業務(レイバースケジューリング)をAIで支援すれば、殆どの属人的管理系業務はERPで完結できます。ただし、悪意をもったシステム設計によって引き起こされる弊害(間違ったアウトプット、情報の暴走など)については多くの科学者たちが危機感を持って議論を交わしています。

ちなみに、編集人が行った試算では、運送事業者では運行管理事務の半分は何らかの重複作業であり、荷主・事業者ともに販売管理費(人件費)を対売上比5~10%程度低下させる効果があるとの結果でしたが、日本の労働法では整理解雇の4要件が厳格に定められ、一部の例外(倒産・閉鎖、労働審判、個別合意による雇用契約解約等)を除き人員整理(レイオフ)は認めらていません。よって、営業・人事・法務部門などがリスキリング以外の方法を含めて、正確性と有効性を担保する仕組みを作ることが先決だと感じます。