道路陥没事故と下水道
2025年06月26日
千葉県松戸市の公道で下水管が腐食して多くの土砂が流され、弱くなった道路にトラックが陥没するという痛ましい事故が発生しました。腐食の原因は下水内で化学反応により硫酸が生成され、下水管の腐食が進んだことにあると言われています。一般的に下水管は50年、浄水管は40年が交換時期だと言われているそうですが、行政側のメンテナンス人員不足・戦後に埋設された上下水道管の多くが更新時期を迎えているとされています。その他にも下水処理されている透析装置の洗浄水(酸性)が原因で腐食する事故も東京都内で確認されているそうです。今回の自事故では洗浄液が原因ではないとされていますが、その後の調査で不適切な洗浄処理水を流す都内の医療機関は無くなったと言われています。
また事故のあった松戸市では長期間にわたる行方不明者捜索が行われ、松戸市もふるさと納税を活用した公共インフラ強靭化を進める計画であると言います。ただ松戸市では透析洗浄水の対策は行われていないそうで、想像に過ぎませんが更新時期を超えている上下水道管は全国で20%以上、あと10年後には更に多くの公共インフラが耐用期限を迎えるとされています。編集人も大学病院で血漿交換治療(血液の透析)を年1~2回入院中に行っているため、他人ごとのように感じられないのも事実です。ただこのような問題はマスコミ等で一部だけ切り取ったような報道をされることもあり、本当に透析治療(殆どが腎臓疾患だと言われています)が必要な患者にとっては何ともやりきれない思いをしている方も少なくないでしょう。
さて都心部では電柱の地中埋設工事が少しづつ進められています。昭和時代には3月に近づくと予算消化のために各地で行われていた道路下埋設物や舗装改修などで多くの道路が通行止めや片側通行を行っていました。最近は科学技術の発達で腐食に強い上下水管や埋設物が利用されているそうですが、経年劣化・優先順位などに堪えうるだけの整備を一斉に行える行政も限られているようです。