オフィス鴻

2025大阪万博

2025年07月26日

様々な問題点が指摘されている大阪万博ですが、今回は特に意見の多い施設内飲食と工事について触れたいと思います。その理由は1970年の大阪万博には編集人がまだ小学生になる前に行ったことがあり、約6,000万人もの来場者があったという記録があります。当時は「アポロ(月宇宙船)」が持ち帰った石の展示があり、それを見るために数時間の行列ができていた記憶があります。それに比べて今回の大阪万博は前売り券販売が不調であること、当初参加意向を示していた国・地域から多くの辞退があったことなど、今一つ盛り上がりに欠けているようです。大阪府等はこの万博跡地に総合リゾート施設等を建設する計画だと言われますが、果たして地域経済の活性化に結び付くのかは不透明です。

まず施設内飲食では諸外国の物価上昇などにより1膳3,000円を超える蕎麦(岡山県の駅蕎麦だと言われています)が提供されるなど日本人の金銭感覚とはだいぶかけ離れているようです。提供されるのは実際の駅蕎麦の高級版のようでそれなりにコストがかかっているのでしょうが、諸外国の方にとっては許容範囲でも現在の日本を鑑みれば4人家族で1万円以上しますから、やはり二の足を踏む価格設定のように思われます。インバウンド需要喚起も大切なことですが、日本人がそっぽを向いてしまうような万博ならば政治的意向を差し引いてももっと異なる方針があったようにも感じます。最終的に税金で補填されるのでしょうが、もっと他に使途はあるでしょう。

もう1点は建設費(資材費・工事費等)の高騰が進む中で、やはり違法行為が摘発されたという事実です。具体的には営業許可を受けていないトラック(通称、白トラ)が法律で禁止されている名義貸しをして3年程で約5億円の違法な売上を得て摘発されました。この「名義貸し(借り)」は運送業界では以前はかなり行われていましたが、最近は外国人による空港や観光地での白タク(営業許可を受けていないタクシー)が横行して、規制緩和の弊害が表れているようです。