日本の七二侯(立秋)
2025年08月21日
旧暦では暑かった夏がまだ続いているものの、次第に秋が訪れる季節が立秋と言われています。この日を境にして最近は殆ど目にすることがなくなった暑中見舞いのはがきが家に届くと、涼風とともにそろそろ秋が近づいているのだと感じたものです。また盛夏とは違う果物が美味しくなる季節でもあり、桃や梨などが店頭に並びます。最近は果物の改良が進み、聞いたことのないような品種に出会うことも少なくありません。その他にも秋を感じさせるものには、ひぐらし(セミ)やうろこ雲があります。
また立秋という言葉自体は紀元前の古代中国で作られたとされているため、現在の気候や中国と日本の気候とのアンマッチだと考えられています。なお立秋の文字の通り秋が最初に訪れる季節ですがさらに新暦では8月中旬頃にあたることが多く、現代社会での季節感とはだいぶ異なります。そして最近の気候変動も相まって更に季節感が薄れているとも考えられますが、それを楽しむ新しい風流があっても良いのかと思われます。
そのほか夏休みの宿題(最近は自由研究などを含めて一切ない学校も多いようです)に追われる学生時代を思い出す時期でもあります。最近は7月20日から8月25日頃まで夏休みとする学校も多く、時代とともに季節も教育も変化しているようです。四季折々の季節を静かに愛でて楽しむ日本の文化は海外の方からも高く評価されており、この先も永く引き継がれていくことが日本人としてのアイデンティティを更に高みに導くことになると信じています。