オフィス鴻

日本の七二侯(寒露)

2025年08月23日

サンスクリット語とは古代インド言語とされ、日本人にとっては梵字という形で寺院等の故人を供養する卒塔婆としても日常生活の一部となっています。寒露(かんろ)について関連する言葉を調べていくうちに、飴菓子メーカーであるカンロ株式会社の社名がサンスクリット語のアムリタ(寒露)に由来していることが判りました。この寒露とは「不老不死の薬である、天から降る甘い露」を指しており、商品のキャンディーやグミなどが当時の子供たちに受け入れてもらえるよう片仮名にしたとも言われているそうです。

最近では俳壇に「アイロンの余熱に触るる寒露かな(市川夏子)」「鶏鳴のひびきわたれる寒露かな(南うみを)」といった句もあるそうで、某TV番組で専門家が話しているように不思議とその光景が眼に浮かぶような奥深さを感じます。この寒露は空が澄み渡ってくる時期であることや、日暮れが早くなるのと同時に月が一層綺麗に見えることなどから日本人にとっても心に残る時期であるように思われます。

また編集人の大好きなブリコと貯えたハタハタが店頭に並び始めたり、実家の庭に植えてあったナナカマドの丸みを帯びた未・紅葉などが思い出されます。特にハタハタは秋田のしょっつる鍋にには欠かせない魚醬の原材料であり、ハタハタの白身・白子もブリコに負けずとも劣らない美味だと思っています。その他にも伊勢神宮で天照大神へ五穀豊穣を感謝する新嘗祭が執り行われるなど、食の有難さを感謝できる大切な季節でしょう。