COFFEE TIME(余市町)
2025年07月26日
日本経済新聞の文化時評に北海道の余市が新たにワインの町として変貌しているとの記事を見つけました。余市と言えば昭和時代以前からウィスキーと海産物の生産地として知られており、その他にも果物栽培に適している気候と言われています。最近の地球温暖化により農作物の生産地が徐々に従来の北限を超えて拡がり、また栽培技術の進化が高品質の作物を収穫できるようになりました。そして最もこの記事に注目したのは、地方創生に賭ける並々ならぬ思いを余市町長が持って「農家の所得向上」に尽力した点です。
最近はふるさと納税で多くの自治体がコメ不足・高騰により、必要数量を確保できないと言われています。それに比べて嗜好品であるワインに目を付けたところは、日常食の米とは違い付加価値をつけやすいメリットが多いと思われます。実際にこのワインを目当てに余市町ではふるさと納税額が7年で25倍の15億円に達したと言います。そしてその新たな財源を子育てや新規就農者支援などに活用しているそうです。
自治体の中にはECプラットフォーム構築などに貴重な税収を吸い上げられているようなケースも散見されています。一方この余市町は独自の施策をコンサル会社主導で行わなかったこと、言い換えれば自分達でアイデアを具現化していく力があったとも言えそうです。ただしこの施策がいつまで持続できるのかは次世代の町長に与えられた重要な使命だと感じています。