オフィス鴻

国立大学病院の経営難

2025年09月01日

全国に42ある国立大学病院は三次救急の最後の砦として国民の生命を救う大切な役割があります。高度医療の提供には手間・時間がかかるうえに診療報酬だけでは賄えない各種医療材料類や人件費増加、医療機器の購入などを進めるには自ずと限界があることは容易に想像できます。その中でも特に問題となっているのは高度経済成長期に建設された建物が既に耐用年数を超える時期に差し掛かっていることで、編集人の通う鹿児島大学病院や私大附属病院もここ数年間で建て替えが完了しました。それでも東京オリンピックと重なったことや建築材料・人件費高騰などで数年遅れとなっていました。

2004年から国立大学が独立法人となったことで、国立大学病院はこれまでの累積赤字約1兆円の返済を今でも続けていると言います。その一方で経営自由度の拡大とは裏腹に本来研究や人員養成に充当される交付金は3割減少と、国立大学病院を取り巻く環境は厳しさを増しています。先述の病院も改築・新築により病床数を1割程度減少させていますが、患者数は増え続けており入院治療にも支障をきたしていることは編集人も感じています。特に診療科が異なる病棟で入院治療を受けるケースの方が多くなり、医師がわざわざ別診療科病棟まで回診に来てくれるのを見ているとより問題の深刻さが浮き彫りになる状態です。

それではこのような課題にどのように向き合えば良いのでしょうか。1つは国民が高度医療を受けることを減らすということが考えられます。もう1つは大学病院への寄付を行う方法があります。国が大学病院経営を支援できない以上、国民が何らかの協力をしていく必要性が生じていると言うことです。編集人も主治医のいる大学病院へ些少ながら寄付をさせていただきました。あと30年もすれば日本の人口は本格的な減少期に入りますが、外国人の不正受診(診療を受けて支払わずに不法滞在するなど)についても入管法で国外退去命令を出す必要があるのかも知れませんね。