母国からの脱出
2025年08月28日
アメリカのトランプ大統領が不法移民対策として様々な施策を打ち出しています。これまでは中南米系移民が多かったのですが、最近は中国からの不法入国が増えているとも言われています。また密入国ルートは中南米経由が主流だったのが、メキシコとの国境付近を強行突破する中国人もいるそうです。構造的不況と関税戦争から国内で働き場所を失った100万人以上の中国国民が国外に脱出しているとの報道もあり、さらに共産党の抑圧的政治体制に対する批判を行えば摘発されることから生きることを賭けた行動のように思われます。アメリカ以外でも2024年度には約20万人が世界各国で難民申請しているとの国連難民高等弁務官事務所のデータもあります。
しかし世界の潮流は難民受け入れに積極的だったドイツ・イギリスを筆頭に入国審査を強化する方向に舵を切っています。あくまでも一般論ですが多くの中国人が海外旅行に行くようになった渡航先ではそのマナーの悪さに対する批判も多いとされ、更に中国が主導していたAIIB(アジアインフラ投資銀行)を活用した一帯一路構想が実質的に途上国の支配を目的としていることも中国および中国国民への反感が募る理由として挙げられています。中国国民全員が嫌われている訳ではないにしても、中国が掲げる様々な施策が世界中から許容されなくなってきていることは事実でしょう。
編集人が中国に渡航したのは北京オリンピック(2008年)の直前で、当時はまだ上海も舗装されていない道路が多く湾岸部に多くの物流拠点がありました。それから15年以上が経過して現在の中国の惨状を予想した方がどれだけいたのか気になります。また当時とは比較にならないほど監視社会になっていると言われますから政治体制云々に言及することはしませんが、いずれにせよ中国以外の国家を含めて母国を脱出するにしても渡航先での最低限のルールを守らなければ受け入れ先を狭めるのは必然かも知れません。そうでなければ更なる中国人狩りが起こる可能性は否定できませんね。