オフィス鴻

自己犠牲とエゴイズム

2025年09月10日

編集人がこのテーマを取り上げたのは、自己犠牲とは自分の利益・快適さなどを犠牲にして自分自身を後回しにすることで他人を優先する行動だと言われているからです。そしてエゴイズムと対比させることにしたのは日本人が持つ特有の文化の1つにこの自己犠牲があり、道徳・哲学などと深く結びついているからだと考えるからに他なりません。つまりこのブログ内ではどちらが良い悪いを判断する目的ではなく、自分自身を客観的見つめ直し内観する時に必要だと考えているからです。社会と関わって生きてゆけば、誰しもが他人との関係性に悩んだり理不尽なことに遭遇することも多いでしょう。

まず自己犠牲ですが、ともすれば他人に対する美徳の行動ともされている点が逆に自分自身の行動を制約する可能性があると考えています。適度な許容範囲での自己犠牲行動ならば良いのですが、何事も度を過ぎればその副作用として自身の心・身体の健康を損なうことになりかねません。また自己肯定感とも密接な関係が指摘されており、結果として自己犠牲を増やしてしまうと自己肯定感が低くなる恐れがあるとされています。その結果ときに災害等の緊急事態への対応を除けば、他者を優先するあまり本来自分がしたかったことさえ諦めているのだとすれば本末転倒のように思えるのです。

次にエゴイズムですが、日本人には否定的ニュアンスに感じてしまうこともあり他国民の行動が自己中心的だと思えてしまうことも少なくありません。本来エゴイズムとは自分自身の利益・欲求などを他者への配慮より最優先する思考だとされています。その視点で思考すればまず自分への愛情があり、そして他者への慈しみがあることだとも言えそうです。敢えて両方の比較を単純化すれば自分と他者がどちらが先に来るのかということかも知れません。そこには絶対的基準は存在しておらず、世の中から称賛されるような気高さや行動も人それぞれの価値観に基づいているのでどちらが正しいのかは判断できないことのように思えるのです。