PIZZA業界
2025年08月19日
編集人は20年前に銀座にマクドナルドの第1号店が開店した時のことを覚えています。その後にファミリーレストランが各地に展開していき、20歳代の頃にはドミノピザが日本に第1号店を開店しました。この頃から街の風景もロードサイド店を中心に変わり始め、当たり前のようにファストフードが身近になっていくのを感じたものです。当時はまだイタリアンレストラン専門店は少なく、笑い話のようですが喫茶店や洋食店で出されるナポリタンががイタリア料理だと思っている方もいました。当然本場のPIZZAなども周囲にはなく、せいぜいピザトーストを頬張る程度であったと記憶しています。
さて宅配ピザ業界に目を移せばドミノ以外にもピザーラやピザハットなどが勢力争いをしていましたが、当初は非常に高価なデリバリーフードだったという印象が残っています。最近は2BUY 1GETを始めいわゆるピザ生地の耳にあたる部分にチーズなどの食材を入れたものや、クワトロ(4種類の組み合わせ)、イタリアにはない独創的なものなどが多く販売されています。その一方で最近の人手不足からデリバリー員が確保できないこともあり、自分で店舗に引き取りに行けば割引が受けられるようにもなっています。実際に店舗には飲食(イートイン)スペースは設けられておらず、狭小物件でも経営できるように工夫されています。
ただし最近ではTVコマーシャルも減少しているようで、ある種の過当競争が経営を圧迫しているように感じます。競争相手は同業以外にもコロナ禍以降UBerを利用する飲食店にも拡がっており、商圏を意識しない出店・売上ありきの戦略を採用する大手チェーンに限界が訪れている可能性がありそうです。その他にも最近の輸入商品の物価高を価格に転嫁せざるを得ない状況があることや、オーダーの選択肢・リピート回数の減少などは飲食業界全体での経営課題とも言えるでしょう。経営や文化といった観点からも今後の飲食業界の動きに注目ていきたいと考えています。