YAP遺伝子
2025年09月09日
かつて日本人は海外から「自己主張をしない」「何を考えているのかわからない」などと嘲笑されている時代がありました。しかし最近は日本人の「空気を読む習慣の価値」が見直されており、特にAIによる人種解析では日本人の特性が遺伝的要素に起因しているとの研究結果もあるそうです。そこで出てくるのがYAP遺伝子(実際は遺伝子ではなくY染色体の塩基配列)で全世界でも保持者は数%とされますが、日本人や中東・チベット地方のごく一部に保有者がいて総人口に対する割合も突出していると言います。特に日本人の中でもアイヌ系や沖縄系の方に多く、また多いとされているようです。
その起源は縄文人にまで遡るとされており、近隣の中国や韓国ではこの遺伝子の傾向が日本人と大きく異なることから日本人特有とされています。このYAPの特徴は「YAP遺伝子は自分を捨てて他人に尽くす」親切遺伝子とされており、先述の日本人の行動・思考特性(勤勉・親切など)を示しているようです。良く調和という言葉で日本人の特性が語られますが、聖徳太子の十七条憲法で最も有名な「和をもって貴しとなす」はこれを具体的に表しているものだと考えられており、日本人の精神性の視点で見れば当たり前・礼儀正しさ・お辞儀・自然に対するアニミズムなどが該当すると思っています。
特にこのアニミズム(万物に霊魂が宿る)は日本人が自然に対して畏敬の念を持っていることの証であり、古代から自然との共生を大切にしてきたことと密接に関連しています。言い換えれば無理に自然をコントロールせず対峙する姿勢があり、それが戦わずして勝つ日本人の生き方そのものを示唆していると言えるでしょう。普段は何気なく生活している日本人にとっては敢えて意識することはないのですが、海外の方にとってはある種の恐怖と脅威の対象となっていることも1つの事実です。近年ゲノム・AI研究が格段に進歩しており、合理性より新たな価値観に基づくいた関わり方が標準になる日が来るかも知れませんね。