入店差別の是非
2025年09月21日
大阪に本社のある飲食店グループの1店舗で「マナーのない人がたくさんおり、〇〇国籍者の入店をお断りします。」といった内容の張り紙に対して、本社が「(略)・・外国籍のお客様も日本国籍のお客様も等しく歓迎します・・(略)」という謝罪文を載せていました。また早期にこの問題を鎮静化するためだと思われますが、当該店舗はすぐに閉店にしたそうです。しかしこのトラブルの原因を違う側面から考えてみると飲食店と客の間で入店時に相互契約が存在している以上、特定の客に対して出入禁止を求めることは法律に抵触していないのです。つまり飲食店は営利目的であり、お店が入店者を自由に決めることに法的問題は無いとされています。
今回の事案はあくまでも本社の指示に現場店舗が違背していたこととして処理されているようですが、営業の自由や施設運営管理の視点では他の客・スタッフへの迷惑行為が続いていたのでしょう。そう考えると本社が現場店舗の運営状況を把握していなかったことを認めた訳ですから、当該企業全体のコントロール(統制)が不十分だったとも言えそうです。実際に編集人がアメリカやヨーロッパにいた時は現在ほど日本人は歓迎されておらず、差別的な言動以外にも拳銃を向けられた時代であったのも事実です。おそらく今から30~40年前の日本人が団体で高級ブランド店で買い漁るのと同じことでしょう。
しかし実際に東アジア圏の国の方の中にマナーが悪い方がいるのも事実で、他国の飲食店・宿泊施設等でも備品を持ち出す・壊す、部屋中がゴミだらけになっていることなどから出入り禁止にしているところも存在します。また日本の飲食店でも予約段階や来店時で、特定国籍の方は満席であるとの理由で事前に入店をお断りするところも実際にあります。日本が観光立国を標榜している以上避けられない課題であり、もし店舗運営責任者に責任を押し付けたとすればいずれ従業員は疲弊と不信から当該企業を離職することになります。そしてもしサービス提供が難しいのならばお断りする勇気も必要だと思っています。